ワインとテロワールの関係
テロワールとは、産地の気候や土壌、地勢などの自然条件の個性のことです。
ワインはブドウからできていますので、そのブドウの育成に影響を与える自然条件つまりテロワールの違いにより、ワインの個性も変わってきます。
例えば、気温や日照量などはブドウの熟し具合に影響を与えます。
ブドウは熟せば熟すほど酸味が弱くなり、甘味や果実味が強くなるので、それがワインの味わいにも反映されます。
ブドウの品種に加えテロワールの違いも押さえれば、より好みのワインを選ぶことができます。
比較的味わいの傾向が分かりやすいのは産地の寒暖による違いです。
産地の寒暖によるブドウの味わいの違い
寒い産地になるほど酸味が強く、温暖な産地になるほどまろやかになり果実味が強くなります。
ドイツやニュージーランドなどの冷涼な産地では辛めのワインが、チリや南アフリカなどの温暖な産地では甘いワインができる覚えておけば良いでしょう。
テロワールの4大構成要素
テロワールの構成要素には気温、日照、水分、土壌が挙げられます。
気温や日照量は果実の熟し具合に、水分や土壌は果実の凝縮感や複雑味に影響を与えます。
気温
気温は果実の成熟スピードや酸味、果実味に影響を与えます。
年間平均気温10~16℃かつ、昼と夜の気温差が大きいほうが望ましいとされています。
日照
日照量は果実の熟し具合を左右し、色素、糖分、酸、タンニンの生成に影響します。
生成期間に最低限必要な日照時間は1300~1500時間だといわれています。
水分
水分が多すぎると樹の生長が過度になり果実に栄養が行き渡らないため、生長に必要なギリギリの量(年間降水量500~900mm)が望ましいとされています。
土壌
水はけがよく痩せた土壌の方が、ブドウがより地中深くまで根を張り、果実に複雑味が増すといわれています。
また品種によって適した土壌は違います。
地勢による影響
4大構成要素に影響を与える地勢条件もテロワールの重要な要素です。
同じ気象条件でも標高や土地の傾斜、河川の有無などの地勢の違いによって構成要素に違いがでてきます。
標高
標高が高いほど気温は低くなるので、気温が高すぎる地域では標高の高い場所に畑が作られることが多いです。
傾斜
斜面では水はけが良くなるほか、斜面の向きによって日照量を確保することができます。
河川
河川に面した畑では、水面の照り返しにより日照量を増やすことができます。